目立ちにくい入れ歯であるノンクラスプデンチャー。しかし、この治療では、適応できる症状が限られる場合があります。そのなかでも、残存している歯の本数や固定する歯の部位が適していないケースについて過一説していきます。
ノンクラスプデンチャーの「クラスプ」とは、金属製の留め金のことです。つまり、金属製の留め金がない部分入れ歯という意味になります。留め金がない代わりに、樹脂でできた義歯床(ぎししょう)を歯茎と他の歯によって固定しています。このことから、残存歯が全く無い場合にはもちろん、少ない場合でもノンスクラプデンチャーは適応外になります。具体的に何本あればよいのか、については、症状によりますので、一概には言えませんが、通常は3本以上の残存歯は必要になります。また、歯の下側の少し凹んだ部分(アンダーカット)に引っ掛けるため、歯の形態上この部分に引っかからない形状をしている場合も治療適応外になります。
奥歯が1本だけない場合にはブリッジと部分入れ歯、インプラント治療が選択できます。しかし、連続して2本無い場合には、ブリッジ治療が出来ません。選択肢は部分入れ歯かインプラント治療に絞られます。このうち、部分入れ歯では、ノンスクラプデンチャーも可能です。
ノンクラスプデンチャーは、残存歯が少ない場合や、アンダーカットという引っ掛ける部分の形状が向いていない場合には治療の適応外になることがあります。しかし、治療の可否は症状により異なります。必ず信頼できる歯科クリニックで検査を受けて判断をしてもらいましょう。