ノンクラスプデンチャーとは、入れ歯の一種ですが、クラスプという留め具がないため、入れ歯だと気づかれにくい義歯です。ただ、通常の部分入れ歯と比較して強度があまりないと言われています。
歯を失った場合の選択肢は主に3つあります。入れ歯、ブリッジ、インプラントです。その中でも入れ歯は治療期間が短く保険適用となり、多くの方が使用しています。しかし、インプラントやブリッジと比較した場合、入れ歯は「噛む力」が弱いという欠点があります。その理由は、固定式ではないためです。一般的に人が噛む力を100%とすると、部分入れ歯では30~40%程度・総入れ歯では10~20%程度と言われます。一方で、インプラントの場合には、90%以上の噛む力が発揮できます。
上記のように 部分入れ歯では30~40%程度の噛む力しかありませんが、ノンクラスプデンチャーではさらに支台歯(義歯を支えるは自然歯)に影響を与えたり、お口の中の粘膜に影響を与える可能性が示唆されています。
この論文では、さまざまな部分入れ歯とノンクラスプデンチャーに対して、特殊なっセンサーを使用して、どのような力がかかるのかを実験しています。結果は、支台歯の歯軸方向に加わる荷重量は,義歯への負荷が 50と100 N の場合、ノンクラスプデンチャーのほうが有意に大きかったという結果が出ています。つまり、大きな負荷がかかっているため、寿命が短く、支台歯に負担がかかる可能性があります。
この論文では、ノンスクラプデンチャーに金属製のレスト(義歯の沈下を防ぐための維持装置)、樹脂製のレストをつけた場合、レストをつけない場合の3パターンで荷重を与えて、義歯に接する粘膜の状況を調べています。結果は金属レストのノンスクラプデンチャーが一番負担圧が軽減されたことから、お口の負担を軽減するには、金属レストが推奨されます。
上記のように、ノンスクラプデンチャーは支台歯や粘膜に負担がかかる可能性があります。インプラントと比較すれば、噛む力も低くなります。しかし、入れ歯だとわかりにくいという大きなメリットがあります。また、種類にもよりますが、費用もインプラントよりも低価格です。そのため、大きな力がかかる奥歯よりも、審美性を重視した前歯での治療がおすすめと言えるでしょう。
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